さて、一緒に上京することを決めた私たち。
(決断編はこちら)
東京の物件探しを始めました。
23区の名前も知らない。
どの区がどんな雰囲気なのかも全く知らない。
そんな状態の私たちでしたが、
とりあえず
「2人暮らしは微妙だよね」
という点は意見が一致していました。
なぜなら、26歳の私たちは、
近い将来「結婚したい」
という願望があったから。
想像してみてください。
どちらかの結婚が決まった時の、
もう一方のダメージを(笑)
1人になってしまううえに、
イチから家探しもしなければなりません。
そこで、私たちがとった策は、
大勢で住んでいる家に2人で入ること。
(実際、この策は大正解で、
親友は上京して半年も経たないうちに、
東京で出会った彼にプロポーズされて、
家を出ることになったのでした!笑)
当時、今ほどメジャーではなかったものの、
シェアハウスがチラホラ出てきていた頃でした。
とはいえ、今みたいにオシャレなシェアハウスは少なくて、
単なる共同生活のような、寮のようなところがほとんど。
3軒見学に行きましたが、
どれも住みたいとはとても思えない物件ばかりで、
打ちひしがれました。
リビングに冷蔵庫が雑多に3つくらいあったりね。
がっくりしすぎて、東京行きの希望まで打ち砕かれそうだったので、
気分を上げるために、私たちは、とあるお家を見に行くことにしました。
それはネットで見つけていた、古民家をリノベーションした、
ものすごく素敵なシェアハウス。
こんなところ♡(画像は、不動産サイトからお借りしました)
何もかもが理想的だったのですが、空きがなく、
すぐに住むことはできない物件でした。
でも、見に行くだけ行ってみよう!と、
予定を変更して急遽訪問。
庭側から様子を伺おうとぐるっと裏に回ると、
住民のフランス人男性がテラスでパスタを食べていて、
私たちに気づくと、どうしたの?と声をかけてくれました。
ここに住みたいのだけれど、空きがなく、
ちらっと見学だけ来てみた旨を説明。
すると、あがっていきなよーパスタ食べる?と誘っていただき、
フランス仕込みの美味しいパスタをご馳走になりました。
食後、3人でテラスでお茶をのみながら、
スローで、かつ豊かな時間の流れに、
何としても絶対にここに住みたい
思いでいっぱいになっていました。
すると、フランス人の男性が、
自分たち(夫婦でシェアハウスに住まれていた)は1ヶ月後にこの家を出るから、
その部屋に住むといいよ、大家さんに連絡してみなよ、と教えてくれました。
なんとーーーー!!!
私たちは、速攻大家さんにメールを送りました。
すぐには返答がなかったので、帰りの新幹線は、
わずかばかりの縋るような希望と、
このまま家が決まらなかったらどうしようという絶望感とで、
精神的に疲れ果てながら、大阪へ帰ったのでした。
翌日。
大家さんから連絡があり、
改めて内見をさせてもらえることになりました。
一週間後、今度は希望に燃えて、再び東京に行きました。
で、その場で契約成立!
鍵もかわいかった・・・
一番の心配だった家問題が、
奇跡のように理想的な形に落ち着き、
私たちの東京生活は俄然希望に満ちてくるのでした。
(つづく)